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2022

半熟卵派の半熟卵派による半熟卵派のためのブログ

こはるちゃんが思わず笑顔をこぼすような紹介をしたらしい、石田です。本人はすっかりどんな紹介をしたか忘れています。が、愛くるしい小春ちゃんの笑顔は世界の幸せ度をあげるので、アンパンマンの顔を作るジャムおじさんのように誇らしい気持ちです。


話題は変わりますが、世の中には様々な派・派閥というものがあります。現与党内には麻生派・二階派などの派閥が公然と存在しあたかも多党連合の様相を呈していますし、テレビのバラエティー番組では「犬派」vs「猫派」のような対立形式の企画が人気です。もう少し身近なところにももちろん派閥は存在します。ポテトチップスはうすしお派もいればコンソメ派も、のり塩派も、ちょっと変わったサワークリームオニオン派もいるかもしれませんね。あるいは、どんなに仲の良いグループも5人を超える規模になると、2〜3人の「よくつるむ」人のまとまりにわかれるものでしょう。会社や学校の組織系統から些細な香りの好みに至るまで、人々は自分でも気がつかないうちに様々な派閥、派に属しながら生きています。特定の派にかっちりと属していることもあれば、ふわふわと時や場合に応じて移動していることもあります。


さて、かくいう私も「二次会はカラオケ派」から「ボトムはロングスカート派」まで様々な派閥に属していますが、そのうちこれだけはと譲れない派があります。ひとたび話題に登れば固茹で派と半熟派の激論が交わされること間違いなしのあれ、ずばりゆで卵です。


私の好みは半熟の中で少し固め。8割ほど固まり、ねっとりと濃厚な黄身。その輝きは夕焼けに染まる太陽のごとし。そしてつるりとしたむき心地ながら、ぷるぷるとかすかに震える白身。とろっとろな柔らかい白身がプルンとした弾力を持ち始めるその絶妙な茹で加減。ひとたび口に入れるとみずみずしい白身としっとりとした黄身の食感が極上のハーモニーを生み出し、口の中は幸福感で包まれます…


どうでしょう、ゆで卵を食べたい気分になりませんか…?冷蔵庫の卵の個数を思い出そうとしているであろうみなさんに向けて今回は完璧なゆで卵の究極の作り方をご紹介します!


用意するものは蓋つきの鍋とタイマー。鍋は土鍋でも美味しくできますが、熱伝導率の良いステンレス鍋がおすすめ。有ればビタクラフトなどいいお鍋を使いましょう。まずは鍋に水を張りたっぷりのお湯を沸かします。水の量が少ないと卵がお湯に完全に浸からず火の通りにムラができてしまうので注意です。ぐつぐつと煮えてきたらいざ卵を投入!するのですが、ここでポイント。卵の尖っていない方をコンコンと打ち、微かなヒビをいれておくのです。こうすることで断然むきやすいゆで卵に仕上がります。さて、卵を鍋に入れる時は慎重にゆっくりと行いましょう。白身が溢れ出て悲惨な事態になります。できれば面が比較的平らな、ザルになっているおたまなどを使うとスムーズです。卵を入れ終わったらさあこれからは時間との勝負。火加減を強めの中火にし、急いでタイマーを7分にセットしスタートします。蓋をし、ほんの少しずらしておきます。こうしておかないと吹きこぼれて火が消えたりします。7分間はケータイを握りしめて動画で暇つぶしです。うっかりゲームなどを始めてしまうと時間が来てもやめられないので要注意ですね。タイマーの鐘が鳴ると同時に火を消し、すぐに卵をザルにあけてお湯を抜きます。そして鍋に戻し水を上から注ぎます。これを2回ほど繰り返して、しっかりと卵を冷やします。できるだけ速やかに冷やすのがむきやすい卵を作るコツです。さぁこれで完璧な茹で加減の卵の完成です。入れておいたヒビからするんと簡単に剥くことができます。塩少々を振ってどうぞ。


究極の作り方をマスターして以来すっかりゆで卵熱がヒートアップした私は、来る日も来る日もゆで卵を作り続けました。茹で方も板についてきたそんなある日のこと。いつものように7分のタイマーをセットし、キッチンの床に腰を下ろしぼんやりしていると、突然玄関のブザーが。時計を見るとあと2分少々。たぶん宅配の受け取りだし間に合うでしょう。気楽に考えて玄関に出ると、そこに立っていたのはご近所さん。そして私に大振りの大根を差し出して、「市場に勤める息子がいい大根を手に入れたからお裾分け」と。なんともありがたい話なのですが、頭をよぎるのはタイマー。私の心配をよそに、奥さんは今度は近所で始まった工事の騒音について話を始めています。ピピッ!タイマーがついに鳴るも、奥さんが気がつく気配はありません。たかがゆで卵。仕方ないと諦め、相槌を打ち打ち話を聞く事約5分。話し終えたご近所さんはにこにこと帰って行かれました。戻るや否やキッチンへと駆け出し、火を止めた私。恐る恐る殻を剥くと現れたのはプルンとした弾力豊かな白い肌。一口齧ると黄色くなり少し粉っぽくなったポソポソの黄身が顔を出しました。残念無念。


…と思いきや。しっかりした白身の歯ごたえ。クセになる独特の黄身の風味。そしてお腹にしっかり溜まる食べ応え。気がつけばもう一つの卵にも手が伸びていました。もしかしてこれ美味しいんじゃ…?!


これだけは譲れないと豪語した当初の勢いはどこへやら。固ゆで卵と偶然出会ってしまったのが運のツキ。運命のキューピッドは大根抱えたご近所さんか。固いゆで卵の魅力にハマり、かと言って半熟卵の美味しさも忘れがたく…いつしか半熟派と固茹で派の間を行ったり来たりするようになってしまいました。


浮気症な性格がこれ以上露呈しないよう、次の人にバトンタッチすることにします。私の生半可な半熟への思いとは比べ物にならない情熱を楕円球に燃やす、一途な「スポーツはラグビー」派の一回生、新家洋平くんです。


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