どうも、最近“いいこと”があった鈴木歩真です。華の大学4年間を筋骨隆々の野郎共との思い出で埋め尽くしてきましたが、ようやくその生活ともおさらばです。失った3年半を残り半年で取り返すんじゃ。ところでこの秋シーズン、トライをとれたこともいいことのひとつです。2.5トライを挙げることができました。0.5はこうたのポイントオーバーのせいで幻のトライになってしまった分です。
―――“Dの意志”――それは何者にも汚されていない、しなやかで美しい清らかな心、すなわち強き男の象徴である…。
京都大学ラグビー部には、Dの意志が流れる人間たちがいます。その数は決して少なくありません。Ｄの意志を持つ者たち（時に彼らはＤの一族と呼ばれる）は互いに鼓舞し合い、助け合って生きています。力の象徴としてそれを誇示して生きるも良し、隠して慎ましく生きるも良し。彼らは自由で、それでいて無限の可能性を秘めているのです。
そのＤの意志が最も強く発現した人間が一族の帝王、つまりＤ貞ｱ､ｲﾔ失礼、D帝になれるのです。かくいう私も色濃くDが発現した選ばれし人間でありまして、３年の春に帝王の座に即位しました。それまでは圧倒的帝王として平井さんが君臨し、私が側近として脇を固めておりました。しかし平井さんに彼女ができ、ほどなくして帝位の継承式が執り行われ、私が帝王になったというわけです。継承式のときのホックホクの腹立つ平井さんの顔は今でも忘れられません。平井さん以前の一族の長と言えば、ひらくさん、髙島さん、和氣さん…と、錚々たるメンバーが並びます。その後継者として選ばれたのは大変不名ﾖ、いえ光栄なことでした。自分で言うのもなんですが、私は偉大な帝王でした。私の偉大さとは、何度危機に陥っても絶対に陥落しない帝位の堅固さ（＝チャンスをものにできない雑魚っぷり）にあります。私のこれまでの4年間のブログを振り返ってみると3/4が女の子に敗北するエピソードですが、これに象徴されるように私はこれまで数多の女性に敗北してきました。幾度も食事に行く機会に恵まれましたが、そのたびに無様に散り、時には千載一遇のチャンスを逃すこともありました。マッチングアプリを始めたり友人から紹介を受けるなど、何度も帝位失脚の危機に陥りましたが、その度に私はカムバックしました。いやカムバックすなよ。思い出しても腹立つなおい。 Ｄの一族であり続ける私を嘲笑う人もいましたが、一族の仲間は私を慕ってくれました。揺るがぬ帝位、絶対的な牙城。このまま帝位を守り切り、私はこのラグビー部を去るのだろう…そんな風に考えていました。
しかしそんな偉大な帝王であった私にも、遂に帝位を継承する時が来ました。ありがたいことに、冒頭に書いた“いいこと”に恵まれたからです。敗北ばかりで泥水をすすって生きてきた人生でしたが、暗闇に差し込む一筋の光のごとく、手を差し伸べてくれる女神がそこにはいました。圧倒的コイキングと呼ばれた私は、長く険しい滝を昇りついにギャラドスへと進化したのです。ごめん、一族の仲間たち。私は一足先に大人の階段をのぼらせてもらうよ。でも私が帝位を譲り卒業したとしても、心は常に一族のそばにあります。いいかい、君たちはＤの一族であることを恥じてはいけないよ。早いうちに誇り高きDの意志を捨てた人間は、時にDの一族を蔑み、弱者だと罵りさえします。笑止千万である！――戦う君の歌を、戦わないやつらが笑うだろう…ファイト！――我々こそが誇り高く美しい、強き一族なのです。恥ずかしがらなくたっていい。焦らなくたっていい。愛すべき家族であるみんながいつか幸せになり、笑って一族を卒業できることを、私はどこか遠い地で祈り続けています。
もうすぐ私もラグビー部を引退します。もう引退か…と寂しい気持ちとともに、一族はうまくやっていけるだろうかという不安もよぎります。しかし後輩たちを見ていると安心を覚えます。Ｄの一族には有望な若手がどんどん育っているからです。アプリを始めたのに面倒くさがるやつ、出会いさえあればいつでもいけると思い込んでるやつ、御影通りに自分のことが大好きな美少女が爆誕すると信じて止まぬやつ…。これはチャンスなしやでぇ（絶望する溝口監督）。先代の帝王たちの意志は、確かに彼らに受け継がれています。ああ…生きてたんだね…Dの意志は…。もう君たちも十分立派になった。これからは僕がいなくても大丈夫。もうずっとそのままの君たちでいなさい。
一族を去る私からみんなにこの言葉を送って、最後のブログとしたいと思います。
その年にもなってまだ女性経験ないの恥ずかしくない？危機感持ちや？
次はようやく重すぎる腰を上げてブログを書いてくれるジャイです。今シーズンずっと隣でスクラムを組めたことは素直に嬉しかったです。東大戦でもスクラム押し勝とうね。
