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2025

変身おじさん

初めてブログを書きます、木村くんから紹介を受けた一回生の黒山優樹です。

僕が「大人の世界に詳しい」というような、良くない誤解を呼ぶ茶化し方をされましたが、彼が子どもすぎるだけだと思います。夏休みごろに別の友達とあるライブへ行ったのですが、その動画を見せてみたところ木村くんはどうやらクラブの映像だと勘違いしているようでした。よく2人で話していると、彼は「あぁ〜クラブ行きてェ〜笑」と言います。いつか彼が本当にクラブに行けば、そんなムッツリスケベ的態度も治るかもしれません。


大学生になって7ヶ月以上経ちますがまだこれといったエピソードトークは出来ていないので、今回は僕が人生で大事にしているマインドと、その起源について話そうと思います。


僕の自己分析が合っているのならば、多分自分は周りからお調子者キャラだと思われているはずです。しかしそんな僕も根っからのおバカであるわけではなく、人並みに(もしかしたら人並み以上に)プレッシャーや不安も感じている訳です。そんなとき僕は前向きな言葉を口にするようにしています。


先ほど「マインド」というような表現をしましたが、前向き言葉の理由は自分の心持ちを変えるためというよりスピリチュアル的なものという方が正確かもしれません。言わば言霊(ことだま)みたいなものです。




小学生の頃の話です。僕の地元には「変身おじさん」という名物おじさんがいました。変身おじさんは車の中から道ゆく小学生に向けて、「お前ら!!!!変身してんじゃねぇ!!!!」と叱りつけてくることからその名が付きました。至って普通の小学生に変身するなと叱りつけるその意味不明さから僕たちは彼を面白がりましたが、どうやら自転車で"並進"するなと言いたいようであると気づきました。「変身おじさん」は「並進おじさん」だった訳です。それでもその言葉のもつ妙なキャッチーさから、小学生達は彼を変身おじさんと呼び続けました。


ある日のこと、学校からの帰り道が同じ仲良しグループの一人が、変身おじさんの家を特定したと言うのです。僕の小学校の通学路は、多くの小道からある真っ直ぐの一本道に生徒たちが合流してくるような具合でした。どうやら変身おじさんはその一本道の端っこの角に住んでいるようでした。何を隠そう、仲良しグループの帰り道にあったのです。なんだか近所の地中から不発弾が掘り起こされたような感じがして、僕たちは背筋が凍りました。


問題はその日の帰り道でした。いつもの通り談笑しながらダラダラダラダラと歩きました。ですがとうとう変身おじさんの家の前に差し掛かってしまい、僕たちは緊張しつつそっと通り過ぎようとしました。しかし怖いものほどつい見てしまうもので、僕たちはチラチラその家の方を眺めました。その時です。僕たちは変身おじさんの姿を件の家の庭に見つけました。上裸でした。本当に住んでいたのだという高揚感。なぜ上裸なのだという困惑。横を向いている彼がいつこちらに目線をやるかという不安。しかし自然と足は止まりました。息の揃った静寂。体の感覚が鋭くなっていくのを感じていると、なんだかブツブツと声が聞こえました。ブツブツと何かを言っているのではなく、「ブーツブーツ」とおじさんが唱えていたのです。理解が及ばずより目を凝らすと、どうやらお腹をへこませたり、ムキムキポーズを取ったりしているようでした。なんと彼は、当時流行っていたライザップの体型ビフォーアフターcmごっこを一人でやっていたのです。僕たちは恐怖しました。「並進おじさん」は、本当に「変身おじさん」でした。




言葉は不思議な力を持ち、口に出すとそれを引き寄せると言います。僕は今でも、彼を「変身おじさん」にしてしまったのは僕たちのせいではないかと思うのです。交通ルールに厳しい正義漢の彼を狂人にしてしまったのは、僕たちの無垢な邪悪さではないかと思うのです。


だからこそ、僕は練習がキツいときほど「よっしゃ!!!」や「おいしょ!!!」という声を出したりします。そうするとなんだかポジティブになる気がするんです。先輩方には、「なんやその掛け声」だとか「ちょけとるやん」とたまに言われますが、実は結構真面目に口に出してたりします。


次のブログまでにはキラキラしたキャンパスライフ話を用意しておきます。


次回は、試合のカウントダウン動画でとりあえず僕を踊らせようとする奈々ちゃんです。


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