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2023

二人ぼっちの世界

あゆまの次は中武の予定だったのですが、順番を飛ばしてわたくし根鈴のブログが先に掲載されることになりました。中武のブログを心待ちにしていたみなさまには心苦しいですが、私の駄文で我慢していただけると幸いでございます。


私とあゆまと中武は一緒に法学部にいて、みんなでヒイヒイ言いながら法律の勉強をしています。期末テストの前には、知る人ぞ知る隠れ自習スポットである法学部図書館の印刷室に集まって、テスト勉強の進捗の悲惨さを共有してぬくぬくしたりしています。

そんな我々が所属している京大法学部では、3回生の前期からゼミというものに参加することになります。ゼミというのは、10~20人ほどの少人数クラスで、学生同士で発表や討論を行う、演習型の授業のことです。学生自身が主体的に文献にあたってリサーチし、学生同士で議論することで、教授の話を聴くだけの講義では得られない力をつけようというわけです。

法学部の授業は、バカでかい教室で無言で教授の話を聴き続けるものがほとんどで、他の学生と交流する機会はほとんど全くありません。色々な学部の中でも友達作りの難易度はかなり高い方なのではないかと思います。しかし、ゼミは、少人数クラスなのでお互いの顔も名前も覚えられるし、発表や討論で話す機会もあるし、さらにゼミによってはゼミ飲み会が催されたりもするそうで、学部での人脈が壊滅的な私は、ラグビー部以外の貴重な友人が出来るんじゃないか、そしてもしかすると、大学生活を華やかにしてくれる素敵な女性と出会えたりするんじゃないかと、このゼミというものに大いなる期待を寄せていたわけです。

ゼミは半期に30個近く開講されます。どのゼミを選ぶかはすごく大事なわけですが、同期の怠惰な姿を見るのが三度の飯より好きなえいすけを日々喜ばせることに余念がない怠惰の民である私は、ゼミの説明会がその存在を認識した時には既に終わっていたため、京大法学部を10年ほど前に卒業した兄の少々古い情報だけを頼りにゼミを選ぶことになりました。結果、第一希望と第二希望のゼミは定員オーバーで入れず、第三希望のゼミに参加することになり、その第三希望のゼミというのが、民法のゼミなのですが、参加者が1人でした。はい、どういうことかというと、教授と一対一ということです。前代未聞です。ゼミは学生同士の討論がその本旨であるはずなのに。存在自体が矛盾みたいなゼミに参加することになってしまいました。兄も学生が1人しかいないゼミなんて聞いたことがないと笑っていました。数少ない学部の知り合いによると、人気のないゼミにあえて単身飛び込んだやばい奴がいると噂になっていたそうです。

結局、ゼミに出会いを求めていた浅はかな願望は打ち砕かれたものの、京大の教授にマンツーマンで指導してもらえるというのは信じられないほど贅沢な経験で、とても良かったなと思っています。授業はゼミ用の教室ではなく教授の個室で教授と向かい合って行われるので緊張しますし、教授からあれこれ質問責めにされるのは大変でしたが、めちゃくちゃ勉強になりました。指導してくださった某先生は、課題の出来が悪くても上出来上出来といって励ましてくださったり、院進についての相談に乗ってくださったりなど、たいへん親身にしてくださりました。課題が未完成で授業の最初15分くらいで解説することがなくなった時にも、私を責めたりせず、教授という職業や法学部の裏側などについてなかなか聞けない話をしてくださることもありました。

某先生のゼミは前期しか開講していなかったので、今は学生が10人くらいいる別のゼミに参加しているのですが、結局他の参加者と仲良くなる機会はなさそうです。ざんねん。まあまだ大学生活は1年残っているので、残りの一年は薔薇色のキャンパスライフが送れると信じて生きることにします。

というわけで、ゼミ選びで迷っている人がいたら、あえて人気のなさそうなゼミを選んでみるのも悪くないよという話でした。



次は、近所のバイト先が潰れたのに転職せずわざわざバイクで30分かけて別の店舗に働きに行っている訳の分からないバ畜、野澤くんです。


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