こうじろうから紹介してもらいました。辻尾です。誰かにちょっかいをかけたい時期が来てしまいました。
僕が小学校2.3年生の頃オレカバトルというカードゲームが流行っていました。近所の古本屋さんにあるそのゲーム機に集まって友達とよく遊んでいました。1プレイ100円のそのゲームをするために、親からもらったお小遣いをやりくりしていたのですが、ある日家の小銭貯金箱から500円玉を盗んでしまいました。そのお金でゲームをしたはいいものの、その日の夜は眠れませんでした。その時人生で初めて罪悪感を学びました。それから数日ずっと心がぽかーんとしていて、親と映画を見に行ったある日、優しくしてくれる親に申し訳なさが爆発して泣きながら500円を盗んだことを白状しました。親はバカやなぁと正直に話したことに安心した様子で、その場ではそこまで怒られはしませんでした。悪いことをしたらこんなにも辛い気持ちになるんだとその時学び、今でも心に強く残っています。
時は現在。2025年12月4日木曜日。この日は部活後に話し合いがあり、いつもより遅い時間に正門に戻ってきました。部活から正門に帰ってきた時間は0時30分でした。急いで帰ろうと自転車を置いた場所に向かうと、僕の自転車がありませんでした。周りを探しても見つからず、結局盗まれていました。
僕の家は大学から遠く、歩くと20分以上かかるのですが、たまたま2つ自転車を持っていた同期からチャリと小さな鍵を受け取り、なんとか日常生活は送れることになりました。
盗まれたチャリはいい値段のするスポーツバイクで、大学入学祝いも込めて親に買ってもらった大切なものでした。それなのに鍵をかけていなかった自分に対する憤りと、犯罪被害にあったという衝撃がその時の心境でした。
12月5日の金曜日に交番に行き、被害届を提出しました。目の前に防犯カメラのある場所だったのでその事も伝え、調査を依頼する警察署にそのことを伝えてくれるとのことでした。
ただ自転車を探すのは簡単ではなく、見つからない場合もあるという雰囲気を強く感じたので、そこまで前向きにはなれませんでした。
12月8日の月曜日。それまでも1日に3回くらいは盗まれた場所を確認していたのですがやはり見つかりませんでした。警察からもなかなか電話は来ません。もうチャリはボロボロになってるだろうし、解体して売られてるんじゃないかなという思いが強くなっていきました。
そんな時に、鍵を無くしました。
同期から借りた自転車の鍵です。
気づいたのは2限終了時でした。
2限について鍵をかけてポケットに入れて、2限の授業中に別の建物に飲み物を買いに行き、トイレに行き、手を洗い、ハンカチを取り出し、としたので死亡推定時刻は11時頃です。その移動中に落とすしかあり得ませんでした。
建物の事務室3ヶ所全てを訪問し、トイレの隅々や自動販売機の底など、至る所を探したのですが見つかりませんでした。不幸が重なり、自分は呪われているのだと思いました。
その日はもう自転車なしで生活をして、捜索時間や移動時間など無駄な時間の多い最悪な1日を過ごしました。夜8時にプリンスバイトのため正門に行かなければならなかったので、それまでに晩御飯を食べようと定食屋に行きました。会計の時に財布を出すと財布の中に鍵がありました。昼間飲み物を買う時にポケットから財布に移し変えていたのです。チェーンの鍵だったためチェーンを弁償することはもう覚悟していたのですが、本当に嬉しくてたまりませんでした。笑顔で自転車の元まで歩き封印を解いて正門に向かいました。
驚くべきことに自転車が帰ってきていました。
日曜日にはなかったのでびっくりでした。度重なる不幸は幸せの前振りだったのです。盗まれてなかったらなにもなかったですが。
問題の状態としては、ライトの装着部分の破壊とステッカー類の剥奪と椅子の高さの激下げでした。このことから犯人は暴力的で心配性で低身長内面ブスだと考えられます。
チャリが盗まれたことで苦労をたくさんしたので、犯人を特定してボコボコにしてやりたい気持ちはすごくありました。ただ、犯人は自分のしたことに対する焦りから返却したのだろうし、その罪悪感は計り知れなかったろうと思います。規模は違えど、あの頃の僕と似たような気持ちだったんじゃないかなと思います。犯人は僕のように簡単に出頭することは難しいですが。
なんにせよ、犯人はこれからの人生僕のチャリンコを盗んだことが警察に特定されるかもしれないという不安と恐怖、さらには罪悪感を抱えながら生きていくんだなと考えたらすごくかわいそうだなと思うので、復讐はそれで十分だと思いました。
次はYAZAWAです。単位をたくさん持っているらしいので、分けて欲しいです。

